2023年06月15日

第43回第44回 「ライフプロデュース」研究会

皆さま、2023年も半分過ぎようとしております。2023年、梅雨時のこの季節、如何お過ごしですか。
コロナ禍のまる3年、「ライフプロデュース」研究会は、休むことなく、1回/月開催して参りました。

6月6日に開催された研究会では、5/9(火)に開催された、「第43回 ライフプロデュース」研究会に続いて、「研究会の今後や開催方法」等について、話し合いました。その結果、今後しばらくは、第4金曜日 17:30〜19:30に開催することになりました。

当研究会に関心のある方、研究会がどんな様子か覗いてみたいかたは、以下、今後の予定や、研究会メンバーの抱負やご意見などの抜粋を記してみました。「ライフプロデュース」研究会の活動内容に関心を持たれた方は、是非、この機にご連絡ください。皆さまの参加をお待ちしております。
 
連絡先:nakamurayoshiko6@gmail.com


(1)第44回「ライフプロデュース」研究会の報告
  1)日 時:2023年06月06日 17:30〜19:30
  2)ファシリテーター:中村昌子
  3)タイトル:前半:研究会の今後の話し合い  後半:読書会 『私とは何か』「個人」から「分人」へ 平野啓一郎 講談社現代新書 2012年
  4)場 所:ZOOM開催

分人主義のすすめ.jpg


【今後の予定】
・7/28 3年間のコロナ禍を経験して、ライフスタイル(価値観、人生観、行動面など、どう変わったか? 担当:若井泰樹さん
・8/25 医療費を節約できる、賢いお医者さんのかかり方 担当:清水春代さん
・9/22 戦時中、本当にあった人造石油プロジェクト  担当:柴本淑子さん ・10/27 読書会「DIE WITH ZERO」ビル・パーキンス(著)ダイヤモンド社 2020  担当:岡田慶子さん
・11/24 「認知症の予防」担当:長谷川洋さん
・12/22 リアル忘年会 幹事:中村昌子 都内のレストラン、居酒屋で開催予定です。


〖一部抜粋〗
研究会メンバーの方への質問事項
1.あなたにとって「ライフプロデュース」とは?
2.研究会で話し合いたいテーマは?
3.「読書会」で取り上げたい本は?


【KOさん】
1.あなたにとって、「ライフプロデュース」とは?

私の場合、帚木蓬生氏の「ネガティブ・ケイパブリティ」との出会いが研究会参加のきっかけだったと思います。「目から鱗が剥がれ落ちる」のを実感できたと思いました。これまでの人生、それなりに苦労もありました。その経験を踏まえて、自分の人生をプロデュースするという発想を持って、世の中の出来事について改めて考察して、色々な経験を持つ方々と意見を交換する。それはとても刺激的であり、私の人生を豊かにするのにきっと役立つだろうと考えています。

2.研究会で話し合いたいテーマ  一つ以上
残りの人生を、できれば悔いのないように、心豊かに健やかに過ごしたいと切に願っています。そのために、今できることは何なのか。心の準備やもっと具体的なこと、例えば社会的な制度や支援についての情報収集など、学ぶべきことも沢山あると思われるので、それらについて学ぶ機会にできれば幸いです。
また、更に広く世界に目を向けてみれば、人として最低限の基本的な生活も保障されないような悲惨な生活を強いられている人々もいます。そういう現実をどう考えて、何ができるのか考える機会も得たいと思います。

3.研究会「読書会」で取り上げたい本 一冊以上
@ エリザベス・キューブラ・ロス : 「死ぬ瞬間」 死とその過程について
A     同         :「人生は廻る輪のように」
スイス生まれの医学博士、精神科医。ターミナルケア、サナトロジーの創始者。死と真摯に向き合うことで、クオリティ・オブ・デスという新しい概念をもたらした。人は誰でも死ぬ。しかし、その時が近づいてくるまで、多くの人はその事実に向き合おうとしない。世界的ベストセラーとなった「死ぬ瞬間」を読み通して、彼女がもたらした新しい概念について理解を深めてみたい。また、「人生は廻る輪のように」は彼女の自伝であるが、「死」という出来事にあくまでも真摯に対峙した彼女の人生を追ってみたい。  

B 神谷美恵子 : 「生きがいについて」
神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。本書はひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、まさに生きた思想の結晶である。(解説・柳田邦男)
C ビル・パーキンス 「DIE WITH ZERO」
この本のテーマは、「本当の人生を生きる」ということ。
ただ生きるだけではなく、十分に生きる。経済的に豊かになるだけではなく、人生を豊かにするための方法を考える。ビル・バーキンスが考えた「あなたの人生を確実に豊かにする方法」としての提案。


【YSさん】
1.あなたにとって、「ライフプロデュース」とは?
この年齢になると、自分自身の信条は(たぶん)確立しているのですが、果たしてそれでいいのか、もっといい考えはないのか柔軟に考えたい。他の人たち、とくに年齢が近く真面目に生きてきた人たちが、今何に興味を抱き、どんな意見を持ち、時代の急速な変化にどう対応しているのか。それにとても興味があり、知ることが自身のライフプロデュースの一助になる。そんな考えでこの会に入りました。

2.研究会で話し合いたいテーマ  一つ以上
@多様性 研究会でも取り上げたテーマではありますが社会が前のめりになるほど「多様性」は大きな課題です。男女平等、ハラスメントの撲滅、働き方の見直しなど、まだ取り上げられるテーマはあると思います(私は専門ではありませんが)。

A趣味・特技 自分の趣味や特技の話。単に内容の紹介ではなくそれによって自分がどう変わったか、どう役に立ったかに重点を置く。

B「玉砕の島ペリリュー」で起きたこと
C戦争中、本当にあった「人造石油プロジェクト」

BとCは私がかなり綿密な現地取材をして記事を書きました。この2つのテーマならファシリテーターとしてお話しすることができます。戦争の悲惨さ、無意味さを考える意味で。

3.研究会「読書会」で取り上げたい本 一冊以上
@「玉砕の島ペリリューから生還した父」ゆき惠・ヒアシュ(潮出版)上記した、ペリリュー島について、この本に深く関わりました。
A「騎士団長殺し」村上春樹(新潮社)毎年ノーベル賞候補として騒がれるので今のうちに。いかにも村上ワールドという作品ですが、上下巻で長いのが難です。
B「魂萌え!」桐野夏生(毎日新聞・文庫は新潮社)女性初のペンクラブ会長になった桐野さんの作品。発行はちょっと古いのですが、女性の老いを扱っています。


【FOさん】

1・あなたにとって、「ライフプロデュースとは? 
どのような視点で捉えているか等の意見交換および異分野のテーマや情報による新たな気づきの場

2.研究会で話し合いたいテーマ  
高齢化とAI (ICT ) 、多様な社会と家族・個人、高齢者の生きがいと役割・責任など

3.研究会「読書会」で取り上げたい本 一冊以上  
@LIFE SPAN 老いなき世界 デビット・A・シンクレタ
ハーバード大学医学大学院の教授で、老化研究の第一人者 
老化とは、老化のメカニズム、老いない体を手に入れる方法など興味深い内容
A スマホ脳  アンデシュ ・ハンセン 
Bほんものの老い  青木羊耳  91歳のフレイルをスマートに生きる

【KYさんからの回答】

LP研の皆様の、真摯に物事に取り組む姿勢、刺激を受けております。
3.研究会「読書会」で取り上げたい本 一冊以上

渦 妹背山婦女庭訓 魂結び 大島真寿美 文春文庫
江戸時代の大坂・道頓堀。穂積成章は父から近松門左衛門の硯をもらい、浄瑠璃作者・近松半二として歩みだす。だが弟弟子には先を越され、人形遣いからは何度も書き直させられ、それでも書かずにはいられない。物語が生まれる様を圧倒的熱量と義太夫のごとき流麗な語りで描く、直木賞&高校生直木賞受賞作。

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 辺見じゅん 文春文庫
俳句は身を助ける、と実感した本です。 戦後のシベリア抑留中に亡くなった元満鉄職員の山本幡男による実在の遺書をモチーフとしています。山本幡男さんはシベリア収容所(ラーゲリ)での過酷な生活の中でも帰国の希望を失うことなく、句会を開き、仲間たちを励まし続けていました。そんな山本幡男さんの恩に報いるべく、家族への遺書を託された仲間の手によって、敗戦から12年が経過したころから一字一句遺族に伝えられ始めました。

【TYさん】
1・あなたにとって、「ライフプロデュースとは? 
@ シニア期においても、“青臭い”議論の出来るごく少ない「居場所」です。
2.研究会で話し合いたいテーマ  
・「ポストコロナ(禍)時代」において何が変わったか?何を、どのように変えようとしているか?(特に、個人的な「ライフスタイル」視点で)
3.研究会「読書会」で取り上げたい本 一冊以上  
★「元気に下山」(2019年・宝島社新書)  〜毎日を愉しむ48のヒント〜 
五木寛之著 
★「22世紀の民主主義」(2022年・SB新書)  成田悠輔著
 
【Y.N】
1.ライフプロデュースとは?
・他者との対話の中で気付きを得、「Unleran(学びほぐし)」することの難しさと醍醐味を味わうこと。

2. 研究会で話し合いたいテーマ
@  世界サブカルチャー史 欲望の系譜から (60年代 70年代 80年代 90年代 2000年代 2010年代)〜今を知るためにこそ過去に飛べ!!周縁から見えてくる時代の気分、深層を探る……。
戦後サブカルチャー年表 アメリカ編 - 世界サブカルチャー史 欲望の系譜 - NHK

3. 読書会:とりあえず、今、借りてきている本は↓コレです!
私とは何か「個人」から「分人」へ 平野啓一郎 講談社現代新書 2012
 参考記事: 平野 啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』|慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC) (keiomcc.com)

【HHさん】
第43回LP研 テーマに関する回答      長谷川 洋       
1. あなたにとって、「ライフプロデュース」とは?
令和4年3月に行われたRSSC同窓会での行事で、中村昌子さんによる「グリーフサポート・ペットロスサポート講座」をZOOMで受講した後で、私の書いた、立教セカンドステージ大学の修了報告書「先祖を辿る」を読んで頂き、丁寧なコメントをメールにて頂いたことを機に、中村さんからLP研に参加の招待を受けました。しかし、この会のライフプロデュースという趣旨が良く分かっていないまま、今日に至っています。改めてHPなどを拝見させて頂いたところ、人生100年時代を生き抜くために必要なスキルが記載されていました。すなわち、根底にあるものが「自立」「共生」そして「共感(響感)」とありました。後期高齢者に入ってから年々老化していく自分が、果たしてどれだけのことが出来るか全く自信がありませんが、少しでも会員の皆さんと切磋琢磨できることが出来れば幸いと思っています。「学ぶことを止めるのは死ぬ時である」と誰かが言っていましたが、私も同感です。

2.研究会で話し合いたいテーマ  一つ以上
1 「なぜ戦争はなくならないのか」について話し合うこと。 ウクライナからの留学生が、今年の練馬で行われた陸上自衛隊閲覧式の席上で言ったことが印象に残りました。日本には憲法9条があるからロシアには攻めてこないので、安心して日本海沿岸を守っていた兵までウクライナに廻して投入しています・・・・・と。
 俳人池田澄子さんは渡邊白泉の句「戦争が廊下の奥に立ってゐた」を掲げて、お願いですから何があっても戦争を起こさないでくださいとエッセイに記していました。
東洋医学における「気」に付いて話し合う。
 「気」とは何か? 生きる源であり、エネルギーとも言われています。「気」を使った熟語を数えるとその多さに驚きます。大事なことは呼吸法であり、ヨガや太極拳などは上手く取り入れて行う健康法です。私自身まだその奥深さについては何も知りませんが、これから学んでいきたいと思っています。
断捨離について話し合う。
 狩猟民族は異動するので、大きな荷物を持っていては生きていけませんが、日本人は農耕民族が基本となってきました。その為に、どうしても多くの品物を抱え込んでしまいます。死んでから家族に処分を任せるのでなく、生きているうちにどのようにしたら、効率的に断捨離が出来るか、教えて頂きたいので、このテーマを提案いたします。故 立花隆氏のように生前から考えていたことが見事に実施できるコツを知りたいと思っています。

3.研究会「読書会」で取り上げたい本 一冊以上
@ 「子ども、本、祈り」 斎藤著  (出版社: 教文館) 
 1940年新潟市生まれ、小学校1年より高校卒業まで長岡で過ごす。立教大学法学部卒業。福音館書店の編集者として子どもの本の編集に長く携わった後、2000年より作家活動に専念。2007年より、河合隼雄氏を継いで「児童文学ファンタジー大賞」選考委員長を務める。2017年4月より日本聖公会浦和諸聖徒教会を母体とする麗和幼稚園園長。講演や著作を通して、子どもの本のあゆみを伝え、子どもたちに本を読んでやることの大切さ、選書の大切さを訴える活動も続けている。

A「最後の講義 完全版 これからの時代を生きるあなたへ」 上野千鶴子著 主婦の友社 2022年刊
 副題 ≪安心して弱者になれる社会を作りたい≫ と記してあります。
B「生命の暗号―あなたの遺伝子が目覚める時―」村上和雄著(筑波大学教授)サンマーク出版(1997年発刊)
 かなり以前の本ですが、もう一度引っ張り出して、読み返してみたくなりました。遺伝子ONの生き方、誰が生命の暗号を書いたかなどについて当時は大いに話題になったと記憶しています。また村上和雄氏は、寄席などで体験する笑いが病気の治療になるとも提唱しています。

〖後半 読書会〗について
この作品は、作者が近未来長編小説『ドーン』を刊行後、複数の知人や読者から、作中で語られている「分人主義」という思想についてのエッセンスを纏めてもらいたいという意見を受けて、わかりやすさを第一に考えて着手したのが本書らしいです。『ドーン』は、さまざまな矛盾をかかえて突き進む世界に「分人(ディヴィジュアル)」という概念を提唱した、人間の真の希望を問う長編で、第19回、Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞(講談社文庫)ー。

読書会は、いつもながら、様々な視点からそれぞれの感想をシェアし興味深い場となりました。一冊の本について、自分の考えをアウトプットする機会、特に、自分では選んで読まない本について感想を述べる機会を得ることは貴重ですね。状況に応じた「分人」の集合体が個人であり、数や比率は容易に変わりうるという考え方、私は納得です!

後日、研究会のグループラインに、今回参加された長谷川さんが、「散歩道の途中のお寺の住職さんが書かれた今月の言葉が、今回の読書会のテーマに通じるものがあったのでシェアします」と写真を送ってくれました。このような流れも「ほっこり」と研究会の醍醐味ですね。

それでは、また!

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白山神社 文京区文京あじさい祭り


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白山 紫陽花祭り.jpg

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*❋⁎❈*゚*❋⁎❈*゚to be continued ゚*❋⁎❈*゚*❋⁎❈*゚*
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2023年03月27日

第41回「ライフプロデュース研究会」の報告

お久しぶりです!「ライフプロデュース」研究会です。
コロナ禍の中も、休会なしで、1回/月の開催を続けてきた、「ライフプロデュース」研究会は41回目を迎えました。毎月、「シニア社会学会」のWebNews「JaasNews」で開催報告しておりますが、今回は、開催日が記事の締め切りの前日で間に合わず、この研究会ブログにて報告させていただきます。
尚、31回〜41回の開催内容は、学会誌「エイジレスフォーラム」で纏めて報告いたしますが、このブログでもご紹介できるかどうか検討中です。お楽しみに。

第41回 「ライフプロデュース」研究会の報告
タイトル:読書会『「オッサン」の壁(講談社現代新書)2022年4月』
著者:佐藤千矢子 1965年生まれ
         2017年全国紙(毎日新聞)で初の政治部長に就任、2022年4月から論説委員。
参加者:6名 女性4名 男性2名  (ファシリテーター:岡田慶子)
和田(80代後半 F)長谷川 若井( 70代 M)柴本(70代 F) 岡田 中村(60代 F)


オッサンの壁.jpg

冒頭で↓1.2の説明を実施
1. はじめに「オッサン」とは何か
「オッサン」とは、男性優位に設計された社会で、その居心地の良さに安住し、その陰で、生きづらさや不自由や矛盾や悔しさを感じている少数派の人たちの気持や環境に思いが至らない人たちのこと、あるいは、既得権を手放したくないために、あえて気が付かないふり、見て見ぬふりをしているかもしれない人たちのこと

2・「オッサンの壁」とは具体的にどういうものなのか
政治記者という特殊な勤務形態、過酷な職場環境の中で、著者が実際に経験したり、見聞してきたセクシャルハラスメントの実態。オッサン社会を生き延びるために、男性に同調してひたすらオッサン化する著者。2021年日本労働組合総連合会長に、初めて女性、芳野友子さん(日本労働組合総連合会長)の就任挨拶、『ガラスの天井』、「ガラスの崖」についての解説。「危機的な状況にある組織ほど、女性が要職に就きやすい傾向がある。成功すればもうけもの、失敗すれば「やっぱり女性はダメだ」といって、崖から突き落として、使い捨てにするという発想。

【意見交換一部抜粋】

若井:「オッサン」とはある意味、組織の中で権力を持っている人ではないだろうか。だから男性の中においても、権力のある人とない人との分断はあったと思う。権力のある人は自分の周囲にYES manをおきたがる。

柴本:日本経済新聞社に昭和50年に入社。男女雇用機会均等法の10年前だったので、大手新聞社の記者の募集は男子学生のみとはっきりしていた。日本経済新聞社がデータバンク局を発足し、秋に募集して、女子も受験可としたところ、採用する気のなかった女子が、成績上位を占めてしまった。結局私を含めて女子5名が採用された。私はどうしても新聞記者になりたかったので、ことあるごとに異動させてくれと主張して運動した。「雑誌の編集なら可能」ということで、やっと『たまごクラブ』『ひよこクラブ』の編集を担当、編集長を担った。女性誌なので、部員はほとんど女性だったし、ロールモデルもいたし、きわどいハラスメントもなかった。
私はオッサンも悪いが、ある意味オッサンも犠牲者だったと思う。日本の社会全体を根本的に変えることができずに男性中心で来てしまって、そういった考え方がしみ込んでしまった。考え方を変えられる人と変えられない人がいると思う。

岡田:私の就職したのも均等法以前だったから、男子と女子は別枠で、しかも、女子学生は自宅通学者が望ましいとあって、下宿している、地方出身の女子学生は不利な状況もあった。それは女子学生を一人前として扱わずに、会社が管理しなくてはならない対象と考えていたからで、本当にとんでもないと私は思った。就職に際して、全て男女平等の就職先を選んだら、大学職員しかなかった。大学職員として入ってみて、建前は女性だからと差別されることもハラスメントもなかったけれど、アカデミックな世界でもまだまだだなあと思うことはいっぱいあった。女性の教員がまず極端に少ないし、トップの総長については、立教大学の140年の歴史の中で、未だに女性の総長が実現できていない。本当にまだまだだと思う。

長谷川:社内結婚が多い会社だった。結婚したら女性は当たり前のように退社した時代だった。均等法ができてからは、女性がお茶くみをしなくて済むような体制になったと思う。後半、地方勤務が長かったので、事務の女性とトラブルにならないように気を付けていたと思う。得意先でスキャンダルなことをして問題になった例はあったと思う。

和田:ハラスメントの経験は全くない。女性が大学に入学するのが珍しい時代で、殆どが高校卒業したら花嫁修業して嫁に行く。薬学部は定員40名で、テストすると女子が上位を占めるので東京女子医大がやって問題になった不正入試。女性が不利な扱いを受けることはとっくの昔に同じことをやっていた。子育てが終わるまでは仕事はせずに、貯金をして子育てが終わってから薬局を開業した。

【子育てと仕事の両立の問題について】

頑張ればできるとか「精神論」ではなく、違いを乗り越えてシステムをつくっていくしかないのではないか。因みに、岡田は下記の2つのパターンのうちBの「出入り」型を希望した。
季節労働的に残業の多い「教務部」に勤務していたが、子育て中は比較的残業の少ない「図書館」勤務に異動させてもらって、本当に有難かった。二人目が2歳になった頃、突然、「秘書課」に異動になり毎日残業の生活になった。

A:「細く長く」型:子育て中の一時期は短時間勤務などで仕事をセーブしながら希望の部署でキャリアを積み上げる
B:「出入り」型:子育て中の一時期は他の部署に異動しても、再び希望の部署に復帰できるようにすること


〖選択的夫婦別姓問題について〗
「オッサン」のリトマス試験紙
選択的夫婦別姓問題に賛成するか、反対するかは、「オッサン」(オッサン予備軍を含む)か?否か?を判断するリトマス試験紙のような役割を果たしている。参加の皆さんに選択的夫婦別姓問題について、賛成か反対かをお尋ねしたところ、以下のように、概ね賛成だった。

柴本:私個人は姓を変えることに何ら抵抗はなかった。韓国は別姓で、姓を変更することを屈辱的と考えるらしいが、私は選択できる自由があってもいいと思っている。世の中には喜んで夫の姓に変える人もいる。
中村:旧姓に愛着と誇りをもっていたので、中村に変える時に抵抗はあったけど、福利厚生上のメリットが大きかったので変えることにした。選択できるようにしたらよいと思う。
若井:オッサンは男性優位社会を維持したいから今までの体制を変えようとしない。反対理由が、認めると家族が崩壊するからということだけど、G6は皆認めてるし、家族は崩壊してない。自由に選択できるようにした方がよい。
長谷川:世界の流れからいえば、相続のことなど考えると面倒だけど、選択できるように変えていくべきかと思う。賛成に近い。

【第5章 壁を壊すには】
「オッサンの壁」のある社会で、女性たちが『生きづらさ』を感じず、気持ちよく働ける環境を実現するためには、何が必要なのだろうかについても意見交換しました。著者の言いたいことを抜粋すると、

「女性が働きやすい社会やシステムを構築することが一番の課題―。クオーター制の導入によって女性の管理職を増やしたり、男性の残業時間削減や育児参加を進めるなど、強制的にシステムを整えない限り、今の状況は変わらない。著者は、女性は能力がなくて仕事ができないのではなく、環境がそうさせないだけなのだと、自分が男性と同じように働くことで証明したかった。今やそれを誰もが理解する時代になった。あとは環境をどう具体的に変えるかだけ、・「オッサンの壁」は越えるものではない。壊すものだ。」と。

【 おわりに 】

自分の言葉で滔々と語る女性たちと、言葉を持たずに戸惑う男性たち、男性は立派な当事者なのに、それに気づいていないだけなのではないか。女性の生きづらさは、男性の問題でもある。女性が生きづらい社会は、男性だって肩肘張っているが、本当は生きづらい社会なのではないか

岡田:それでは、皆さんから全体を通して感想、また、どのようにして、オッサンの壁を壊したらよいのか、ご意見をいただきたい

中村:この問題、多くの男性は、あくまでも自分自身以外の他人事と思っている。自分は、女性に理解があり、尊重もしているから、自分は「オッサン」ではない、当事者ではないと思っている。が、実はあなたも正真正銘のオッサンのところがありますよ、と言いたいタイプもいる。「自分はオッサンかな?」と自問自答できる男性が増えていくだけでも、世の中も少し変わるのでは?
小学校の同僚たちは、20代から30代がメインだが、性差は殆ど感じない業界で心地よい。「昇格」となると違うかもしれないが、「社会はこうして進化していくのだな。」と日々、現場で感じていて、この点は良い傾向だと思う。その昔、前職マネジャー時代、ほぼ同期だった隣の部署の男性の室長から来客もいないのに、「中村さん、お茶入れてくれる?」と部屋越しで言われた情けない記憶が蘇った。「え?私が、今、あなたにお茶をいれるんですか? はっ? 」とむっ!とした記憶….だ。今の時代、信じられないような笑える漫画の様なワンシーンだけど。

若井:男性には当事者意識はないと思う。中国で言われる、「足を踏む人、踏まれる人」とあるように、女性の痛みや生き辛さは男には分からないと思う。男は鈍感だから、これだけ言ってるのに、言われないと気が付かない。無駄だと思わずに、もっと男に主張していったらいいのではないかと思う。家の中では影響大で、我が家では実効支配は妻。でも、社会は圧倒的に男性優位社会であり、世の中をよくしたいと思っている人が抑えつけられている。一番酷いのがロシアのオッサンでこれを何とかしないといけないと考えている。

長谷川:田中角栄の娘、真紀子が台頭してきたとき、サッチャーとイメージが重なって、将来国を代表する人になれるのではないかと思った。(※注:長谷川さんは、サラリーマン時代のほとんどを北陸地方で過ごされました。)やはりリーダーとして、ジェンダー関係なく、資質のある人がなるべき社会だと思う。男が牛耳ってる社会ではあるが、女性でうまくリーダーシップを発揮できるような人が出てくるとよいなと思う。今の世の中、女性の賃金が低く抑えられており、特に非正規の女性は低賃金に苦しんでいる。主張することができない。

岡田:3月9日の朝日新聞の記事で、「公務員の非正規雇用への置き換えが進み、大半を女性が占めている。DVの相談員が低待遇に疲弊、限界を感じている」と紹介されている。女性が低賃金で非正規公務員の職を担わされてきた。これは構造的な問題。

最後に今回は、以下の一節に集約し、続きはまた機会を作り意見交換するということで。こうして今回も、楽しい議論の2時間でした。

『女性の生き辛さは、男性の問題でもある。
女性が生き辛い社会は、男性だって肩肘張っているが、本当は生き辛い社会なのではないか』


今後も、著者のこの鋭い指摘を胸に留め、日々過ごしていきたい。

                             (岡田慶子 記)

 
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第42回「ライフプロデュース」研究会 開催のご案内
日時:4月4日(火曜日)17:30〜19:30 ZOOM開催です。
テーマ:「サプリメントの正しい活用法」
ファシリテーター:長谷川洋さん(NPO法人埼玉県健康管理士・ライフプロデュース研究会メンバー)
アシスタントファシリテーター:和田久子さん(米寿を迎えた現役薬剤師 ライフプロデュース研究会メンバー )

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posted by ライフプロデュース研事務担当 at 08:28| Comment(0) | ブログ

2022年08月02日

生き生きと輝く70代80代シリーズ No7 【アウトプットすることの大切さ】&【86歳の壁】

生き生きと輝く70代80代シリーズ File7
【アウトプットすることの大切さ】&【86歳の壁】 Chako & Tappo

昨年創立20周年を迎えた「シニア社会学会」の研究会の一つとして、発足5年目を迎えた「ライフプロデュース」研究会は、コロナ禍の中もZOOMで月1回集い、この2022年7月で開催34回目となりました。

教える人も学び、学ぶ人もまた教える「Those who teach shall learn, Those who learn shall also teach.」−、双方向の学びが出来る場、一人一人が単なる参加者でなく、主体的に能動的に研究会活動を作り上げる主体者たることを目指し、できるだけ、毎月ファシリテーターの役割を交代し、ZOOMでWeb開催してきました。

研究会のお知らせなどは、「一般社団法人 シニア社会学会」のHPで毎月更新し、ご紹介しております。

7月のファシリテーターは、薬剤師歴50余年、半年後(2023年2月)に米寿(88歳)となられる和田久子さん(87歳)と、60歳で食品会社を定年退職、70代に突入したばかりの若井泰樹さん(70歳)のお二人に担当していただきました。今回のインタビューのキーワードは、以下の4つと言えるでしょうか。

@ 前頭葉の活性化には、「インプット」よりも「アウトプット」
A 「80歳の壁」じゃぁなくて、「86歳の壁」が一番手ごわい!
B シニア世代になって、再び、「青臭い話」ができる場所の大切さ
C この道50年超!の薬剤師がお勧めする、酷暑を乗り切る漢方薬、五苓散(ゴレイサン)


7月の研究会の参考図書はこの2冊でした

課題図書 和田秀樹 2022年7月.jpg


和田久子さん(愛称:Chakoちゃん お孫さんにそぅ、呼ばせていたそうです。)
・昭和10年生まれ、87歳。この道、50年超、現役薬剤師。
・出身地:石川県金沢市
・きょうだい:三人きょうだいの長女(弟二人は既に故人)
・趣味:現在は英語に触れること。TVでスポーツ観戦。
 茶道・書道・編み物・洋裁・料理
・座右の銘:大願成就 願うだけでなく努力し続けることが肝心!

チャコさん40代.jpg
ちゃこさん、講師の様子.jpg
40代、薬剤師の仲間と(上)、【船橋市民大学】で講義をした時の最近のショット(下)

若井泰樹さん(愛称:Tappoちゃん 幼少から現在まで、 地元深川の町内会でこう呼ばれ続けてる。)
・出身地:東京・江東区深川(下町) 昭和26年生まれ 70歳。
・きょうだい:二人兄弟の「長男」
・趣味:現役時代は「ゴルフ」、
最近は、「ガーデニング」「俳句」「読書」、地元の歴史探訪 、B級グルメの穴場店探し
・座右の銘:人間万事塞翁が馬
地元 下町深川 祭りの写真、娘さんとお孫さんと(上)。 綺麗に咲かせた、ご自宅のアジサイの花(下)

祭りの写真 若井さん.jpg
あじさい 2022.JPG

【1.前頭葉の活性化には、インプットよりもアウトプット】

Hana: 当初、7月の研究会のテーマは、

@ 70代に突入!した、元食品会社営業マンが紐解く、【70歳が老化の分かれ道】
ファシリテーター 若井泰樹さん
A この道50年、来年、米寿を迎える現役薬剤師が実体験から分析する【80歳の壁】
ファシリテーター 和田久子さん

の二本立てでしたが、お二人が打ち合わせする流れの中で、 課題図書2冊は別々に著しているが、内容的に「ほぼ共通する部分」が多く、当日は70歳とか80歳とかの「壁」は取り払い、纏めて「フリーディスカッション」することになり、その結果、当日は、新たに参加された70代の男女2名を含めた計9名でフリーディスカッションをしたわけですが、 ファシリテーターを務められていかがでしたか?

Tappo: 和田秀樹氏の著書でもインプットからアウトプットに行動を変える効果について述べられていますが、インプットとアウトプットの大切さ、特に、アウトプットの大切さ、難しさを今回も実感しました。

Hana:アウトプットする方法やできる場所も限られますよね。もう少し詳しくお聞かせください。

Tappo:はぃ。この本にもあるように、一人で読書して知識をインプットするよりもアウトプットの行為の方が、前頭葉が活性化され、老化防止に繋がるということを体感したわけです。研究会で担当がきまると、課題図書を3回位、読み直してレジュメを纏める。そうすると前頭葉が活性化してくる。纏めることで頭を使う。70過ぎたら人前で発表する機会はなかなかない。人前でアウトプットすることを、現役で続けられる機会を得るのが嬉しいんですよね。

Hana:なるほど。和田氏の著書には「アウトプットとは、得た知識を、これまでの経験などを使って加工して述べると前頭葉はフル稼働する」とありますね。「得た知識を(加工)する。」という点では、Chakoさんが主張された、〖86歳の壁〗は、私には、衝撃的でした。Chakoさん、〖86歳の壁〗についてお話しいただけますか。

【「80歳の壁」じゃぁなくて、「86歳の壁」が一番手ごわい!】

Chako:はぃ。私は、この本を2冊読んで、著者の和田さんは専門家とは言え、62歳とまだまだお若く、80歳代になった人ではないので、「少し甘いかな」と感じたところがあります。
Hana: なるほど、和田氏の著書が甘いとお感じになった。そこのところをもぅ少し詳しくお話しいただけますか。

Chako:はぃ。70歳と80歳は全く違うけど、85歳と86歳も全く違う。私の場合は、70歳になったときも80才になったときも、何ら変化なく、まだまだ自分が年寄りという自覚はなかったんです。優先席を譲られても「えっ?いいのに。」って感じでした。85才までは自分がお婆さんと思っていなかったけど、86才になった途端、自分はどうみてもお婆さんとはじめて自覚しました。薬剤師の同期仲間ともこの点は共感しあいました。「86歳の壁が一番てごわいって。」

Hana:うぅーん!「86歳の壁が一番てごわい!」このChakoさんの生の声、60代の私にとってはかなり衝撃的でしたよ。「86歳の壁」って。

Chako:後日談、そのあと、「86歳の壁」で共感し合った薬剤師仲間5名で、グループを作りました。グループ名は、「ハラハラ会」―(笑)
あと、この研究会について感じていることを少しー。私は他の皆さんと違い、コロナ禍になってから参加しているので、ZOOMでの研究会しか知らないのですが、皆さん、お話が上手くて凄いなぁと、本当に感心しています。早く、リアルに皆さんとお目にかかりたい。私が、所属している「船橋市民大学」、「中央区民カレッジ」では、受講生は70才代が多く、いずれにしても私が最年長です。

【シニア世代になって、再び、「青臭い話」ができる場所の大切さ】

Tappo:Chakoさんはじめ、研究会のメンバーは年齢を聞いたら、「あぁ、そうなんだ。」とは思うけど、個人差、その人の生きざまであって、年齢はあまり関係ないかも知れませんね。
Hana:確かに、研究会仲間は、年齢はあまり気にしないですねぇー。世代の背景は気にするけど….。ところで、Tappoさんは、『この研究会は青臭い話ができるから嬉しい』としばしばおっしゃって、私もストライクゾーン!で共感しているのですが、Tappoさんにとって、『青臭い話ができる場所』としてのこの研究会の意義をもう少し詳しくお話しください。

Tappo: はい、年をとると世間体とか世の中の常識の壁とかに阻まれてなかなか心の中にある本音が話しづらい。振り返れば学生時代、友人と夜を徹して話し合ったことは正に「青臭い話」、政治や世の中を批判したり。哲学について、人生についてとりとめもなく語り合った。社会人となって「人生とは」なんて会社仲間に言ったら、「お前、どうした? 頭、おかしいんじゃないか?」なんて言われちゃいそう。この研究会で会話している内容を、他のところで言ったら、『何いってるんだよ。難しいこと言ってー。」で終わりですね、きっとー。でもこの研究会では何を言っても許される。そんな周りからみたら、めんどくさい、青臭い話を、今こうしてこの世代になって再び、気を遣わなくてすむ、気の置けない仲間たちと、思いのたけ話せるのがいいよなぁ。70歳になっても80歳になってもヒトは「人生ってなんだろう〜。」って考えるものなのに、それをなかなか言いづらい。それが、この研究会の中では思いのたけ、心の内が言いあえる。そこがいいなぁーって。

Hana: 皆さん、人生、艱難乗り越えてきて、相手の状況を慮れるのもいいですねぇ。

Tappo:この会に入ってよかったと思ったことは幾度となくあるのですが、特に2つ挙げると、「アウトプットすることで現役の感覚でいられること」、それともう一つ、「時代の流れについていけていること」ー。
コロナで研究会ができなくなったことが凄く残念でショックだったけど、ZOOMでオンライン開催になって2年以上(飲み会はなくなって寂しいけど)、月一回のこの「オンライン研究会」のお陰で、課題図書を読んで、ZOOMの画面に向かって発表するなんて、そんな体験を当たり前のようにできることの有難みは本当に夢みたい。本を読んだりTVを見たり、インプットはできるけど、僕らの世代で、こんな風に定期的に思いのたけを「ZOOM画面に向かってアウトプット!」しているなんて本当に少ないと思います。

Hana:今回、研究会開催へ向けて、準備段階のお二人のやりとりも、私にまで共有してくださっていましたね。互いに思いやりに溢れていて微笑ましかったです。研究会終了後、Chakoさんから届いたメールも、共感しました。「食べることと、動くことが大事、自然に逆らわず そのためには嫌な人や事からは逃げて (逃げるは勝ち) もいいです。思い込みもよくない。ストレスを溜めるのが一番よくない。更には好きな趣味を見つけ、心穏やかに日々を過ごす事こそが大切だと思っています」

Tappo :そうそう、ストレスを溜めないのが一番大切ですね。
Hana: 「 逃げるは勝ち 」のところで思わず笑ってしまいましたよ。

【 夏を乗り切るお勧めの漢方薬 五苓散(ゴレイサン)  】

Hana: ところで、Chakoさん、先月の研究会で、「この季節、熱中症の症状が出たら『五苓散』(ゴレイサン)がお勧めです。」とおっしゃっておられましたが、あの後、熱中症の症状のある方にご紹介してとても感謝されましたので、もう少し詳しくご説明いただけますか。

Chako: 五苓散(ゴレイサン)とは何千年も前の中国の漢の時代の傷寒論に載っている昔の漢方薬で、主薬は猪苓 茯苓 蒼朮 沢瀉 桂皮 (チョレイ ブクリョウ ソウジュツ タクシャ ケイヒ)で、利尿作用のある5つの生薬が配合されています。効能としては 尿量が減量したり 口渇がある時「体内の水分循環を良くし無駄な水分を取り除き」、めまい 吐き気 むくみ 嘔吐 腹痛 頭痛 下痢などの症状が出る時に服用します。従って、乗り物酔い、二日酔い、暑気あたり(熱中症) 、気圧変動による頭痛etc に使われ、速攻で効きます。乗り物酔いをする方など出かける前予防に飲むといいです。熱中症にも事前に服用をお勧めします。お子さんも飲めます。私自身もこどもたちが小さいころから、車で長距離移動するときには、必ず、服用しておりました。

お勧めの漢方薬としてもう一件、不幸にもコロナに罹患してしまった方、喉が痛い、食欲がない症状がでたときにお勧めの漢方は、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)と小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)と葛根湯(カッコントウ)です。自分がもしかかったら是非飲みたいです。

Hana:大変、参考になります。ありがとうございます。漢方、良いですね。私も、更年期症状で苦しんだ頃は、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、現在は、薏苡仁(ヨクイニン)、処方してもらっております。

Hana:最後に、Tappoさん、何か読者の皆さんにメッセージございますか?

Tappo:この研究会でも、健康で毎日いきいきとシニアライフをおくる秘訣について語られてきた中の「名言」で、「<いま、ここ>を大切に生きる!」がありますよね。私も、過去(特に 嫌な思い出 )は振り返らず、誰にも分からないような「未来」を憂うことなく、毎日その一日を有意義に、楽しく過ごすことだけ考えるようにしています。若い現役の方々からは、お叱りを頂戴するかも?ですが、特にコロナ禍において、結果としてシニアたちが元気に過ごすことが、「双方、Win-Winの関係」に繋がると確信しております。 

Hana:: Chakoさん、Tappoさん、今回は、研究会終了後の流れで、即興的なインタビューでしたが、大変、良いお話をお聴き出来ました。ありがとうございました。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


【Age is just a number.(年齢は単なる数字さ!)
〜インタビューを終えて〜】

今回のインタビューは、お二人に、7月の研究会のファシリテーターをお願いし、研究会当日へ向けてのお二人のメールのやり取りが微笑ましく、研究会終了で解散してしまうにはもったいないと思ったので、急遽、流れと勢いで、このインタビューシリーズ、No7ご登場いただきました。
【Age is just a number.(年齢は単なる数字さ!)】は、好きな言葉の一つですが、今回のインタビューでは改めてこの言葉をかみしめました。Chakoさん、Tappoさん、ありがとうございました。

8月の「第35回 ライフプロデュース研究会」開催は、8月31日(水曜日)17:30〜19:30 ZOOM開催となります。テーマなど詳細については、追って、シニア社会学会のHPにてお知らせいたします。ご参加希望の方は、nakamurayoshiko6@gmail.com にご連絡ください。



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