2019年10月28日

第16回「ライフプロデュース」研究会、開催いたしました。

 台風19号で被災された地域の皆様が一日も早く日常を取り戻されますよう、お祈りいたします....。

第16回 「ライフプロデュース」研究会、開催いたしました。
悲しい出来事や別れが続いたので、気分転換も兼ねて、研究会開催時間の前に、研究会メンバー且つ大学の先輩K子さんをお誘いして、見たかった映画、第76回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した「ジョーカー」を有楽町の「丸の内ピカデリー」で鑑賞してきました。この映画館は都内唯一の日本初のドルビーシネマ専用シアター、映画鑑賞楽しみの術をup-dating! 今回の研究会のテーマ、「いまup-datingしている(更新中!)と感じること」に期せずして、ジャストフィット!の体験でした!
https://kakakumag.com/av-kaden/?id=14471

丸の内ピカデリーDOLBY CINEMA.JPG

 映画の内容は、コメディアンを目指す普通の青年が世の中から徹底的に疎外され、狂気に満ちていく過程ー。その過程に説得力があり、残虐な行為に走る理由について、見る人を納得させるものがあるーと二人で感想を共有しました。http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/


さて、第16回「ライフプロデュース」研究会、纏め役を担ってくださったのは、プロフェッショナル 現役編集者の Mayumi さんです。

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第16回となる今回のテーマは「いまup-datingしている(更新中!)と感じること」です。参加者それぞれが、現在取り組んでいること、新しい気付きなどを発表しました。年齢を重ねるごとに蓄積してきた知識やスキルに、Up-dating(更新中) というスパイスを日々加えることは、50歳も100歳も年齢差のある若い世代と手を携えていく上で結構大切なことではないでしょうか。

◇ 初めて留学生ホームステイを受け入れて(60代男性)
この夏、ドイツ人留学生の20代若者2人が10日間我が家にホームステイした。留学や研修でとはまた違って、外国の方と日常生活を共にするのは初めての経験で、主に2つの気付きがあった。

【 忖度のない気持ち良い関係 】
たとえば食事時に「ご飯が口に合わない」「お腹いっぱいでもう食べられない」という時、その旨をはっきり伝えてそれ以上は食べない、など。むしろ言われた側も不快にならず、気持ち良く対応できた。日本では社交辞令や忖度によって本心が掴めないケースがあるが、今後はお互いの良い人間関係のために自分もイエス / ノーをはっきり言うよう心がけたいと思った。
【 楽しい一日だった?と尋ねてくれる心遣い 】
夕飯時、見学してきたことなどを2人がひとしきり喋ると、留守番していた私にも必ず「ジイジは何をして過ごしたのですか?」と尋ねてくれる。「TVで高校野球を観ていた」と言うと、「高校野球のどういうところが好き?」などと更に関心を示してくれる。どうやら、朝の「Have a nice day!」の声がけが、帰宅後の「今日はハッピーな一日だったか」と確認し合うことにつながっていて、自身の生活でも見習うよう心がけたいと思った。

◇ ゆっくりと地縁を育む日々(60代男性)
この間、がんばっていた市民大学講座全10回の講師をようやく無事に務め終えた。最終回には10名ほどの受講者一人ひとりに ”私のこれからの10年” をテーマに発表してもらったのだが、「地元の名人を探して取材し、自費でも良いので出版したい」「指揮者になりたい」等、それぞれに夢を持っていることがわかった。「講座をきっかけに妻と話し合って自分で洗濯や料理もやるようになった」という男性も。そして、講座は終わったけれども、今度は「我が家の畑の芋掘りをご一緒にどうですか」と受講生の皆さんをお誘いした。できれば、これからも月1回ぐらい集まろうと思っている。
もうひとつ。近所に、もうシャッター街のような寂しい感じになっているショッピングセンターがあるのだが、そこに新しくカフェができた。このカフェで、いろいろと関わりができている。気に入って店に通ううち、良く来店する人たちと交流するようになり、今では囲碁をやったりしている。今度は彼らと一緒にウクレレ教室を受講することも決めた。

◇ 全然知らなかった "地元の歴史” (70代男性)
東京の築地には学校の発祥地を表す記念碑がいろいろと建っている。特に聖路加病院の辺りには慶應義塾、青山学院、立教学院、明治学院、他にもたくさんある。なぜだろうと思っていたが先日参加した街歩きツアーでその謎が解けた。(幕末から明治にかけて)この辺は外国人居留地だったというのだ。だからミッション系の学校が多いのだろう。なるほど、と思うと同時に、築地は私の地元なのに居留地があったことなど全く知らなかった。案内してくれた「NPO法人築地居留地研究会」のことも、同研究会が30年の歴史を持つことも全然知らなかった。。もっと自分が住んでいる地域のことをよく知らなくては、と強く思った次第だ。それと、今回で "居留地" に大いに興味が湧いたので、全国7か所(東京・築地、横浜、大阪、神戸、函館、新潟、長崎)にあったという居留地についてこれから勉強したい。

◇上書き保存すること (60代女性)学生時代からの友人で、子育てしながら、仕事も続けて、お互いの姑への不満を吐き出しながら、一緒に闘ってきた戦友のような存在の友人がいる。彼女は認知症で入院している姑の攻撃的な言動に傷ついて、見舞いにいく度にひどく落ち込み、しまいには体調をくずすようになったので、お見舞いにいけなくなった。その話を聞きながら、「今日こうして友達と会って、映画をみて、ランチをしながら話をして、楽しい時間を過ごせたことで、上書き保存すればいいんじゃないの」と話したら、「上書き保存する」の言葉と、彼女の何か気分を転換するようなイメージが、その時かちっと音をたててはまったらしい。「そうだ、上書き保存をすればいいのだ」と思って、気分が嘘のように楽になったとのこと。カウンセリングでは、言葉の意味をなかなか感じとってもらえない時があるが、この時はうまく伝わって私も嬉しく感じた。

◇ Webミーティング、skypeからZoomへ進化 (60代女性) 今月より毎週月曜日の夜、将来的に、「地域ねこ活動」に必要不可欠と思われる民間資格を取得するために、Zoomを使ったWebミーティングに参加している。詳細は、資格取得後に明らかにする予定だが、講座の主催者は女性の獣医師。自宅の猫、シェルターにいる猫、地域猫達も確実に年を重ねていくので、来るべき時が来たときに心身ともに自分自身や団体メンバーが悲しみに堪えうることができるように、今から少しずつ、準備せねば!と思ったことが講座参加のきっかけだ。講座の時間帯は、地域ねこ管理区域のパトロールが終わってから1930〜2230 の3時間ー。来春、ここで取得した資格を活用し,「地域ねこ団体活動」の領域を少しずつ拡げていくVISIONを描いている。Webミーティング(ウェブ会議 Zoom)は気軽に参加できて、今後、ますます一般化する会議の手法と感動しているところだ。 https://www.turbine.co.jp/blog/201808-zoom-skype-difference  

◇ 10代以来のスポーツを再び(50代女性)
中学時代に部活でやっていたバドミントンをまたやってみようと、ラケットを購入。思いはあっても行動に移せなかった時期が長かったので、道具を入手しただけでも満足感がある。きっかけは、更年期年齢を迎えて何かと心身の衰えがスピードを増していると感じることが増えたためだ。体重はじわじわと増加、物事を見聞きしても感覚が以前ほどパッと反応しない、等々の症状がある。身体に喝を入れたら何かしら好転するかも知れず、そんな期待を込めて次は体育館デビューをしようと思う。

いかがでしたでしょうか。あまり気負わずに小さなことで日々少しずつ up-dating して、その成果を楽しむことも大切かと思います。読者の皆さまもぜひ楽しい up-dating を!

Mayuimi.M

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次回開催は
11月27日(水曜日)18:00〜20:30
テーマ:3年後の自分をバックキャスティングアプローチで描いて見よう!(仮のテーマ)
場所:内幸町 日本プレスセンタービルディング9F 日本記者クラブラウンジ

第16回 ライフプロデュース 研究会.jpg

posted by ライフプロデュース研事務担当 at 05:28| Comment(0) | 日記

2019年09月30日

第15回「ライフプロデュース」研究会、開催しました。

皆様、こんにちは! 令和元年9月最終日―如何お過ごしですか?
第15回、「ライフプロデュース」研究会、開催いたしました!

今回のテーマは『居場所がなく孤立した人の見守り方、接し方』でした。冒頭で、先月から研究会の参加いただいている、臨床心理士の岡田慶子さんより、心理職の立場でレクチャーいただきました。その後、参加者10名で2時間ほど議論―。その詳細についてご報告いたします。今回の纏め役は、元食品会社の企業戦士だったWさん(60代半ば)です。

 岡田さんは、心理職の立場から、『「ひきこもり」の人たちも含めて、孤立して居場所のない人たち全体に共通する問題の本質は、つきつめると 「生きる意味の喪失」ではないでしょうか。生きる喜びを感じること、それはその人なりの幸せを意味しており、必ずしも社会に出て就労することや、他の人の役に立つことや、賞賛や評価を得ることだけではないように思います。』と述べておられます。

第15回 ライフプロデュース 研究会.jpg

2019.9.25 LP研 「まとめ」
テーマ 『居場所がなく孤立した人の見守り方、接し方』  編集担当 W

議論に入る前に臨床心理士の立場から、岡田さんより今回のテーマに関連して下記の3つの項目についてレクチャーをいただいた。

1.「ひきこもり」の定義:
様々な要因の結果として、社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたって、概ね家庭にとどまり続けている状態を指す概念
2.「ひきこもり」の要因:
「個々のケースの背景にあるもの」、と「現代社会が生み出しているという側面」、「親の養育態度等の家庭環境との関連」等、様々なケースが考えられる
3.「ひきこもり」の支援の課題について:
「支援機関へのつながりにくさの問題」、「支援のゴールをどう考えるか」、「高齢化の問題」(いわゆる「8050問題」等)といった様々な問題、課題がある

次いで議論に入り、まずAさんから、「ひきこもりの前段階として『居場所がない人』⇒『ひきこもり予備軍』の方々がおられる」との提起があり、またBさんは「他人が思うほど、ご本人は寂しく感じていないというケースも多いのでは」とも。Cさんは(元カウンセラーの立場から)「うつ病の方に『頑張って』と励ますことがタブーのように、『孤立しかかっている方』に、周囲があまり余計な干渉をしたり、アドバイス等をするのは適切ではない。むしろ、相手の方と一定の距離感を持ちつつ寄り添い、お話はしっかり傾聴する(時に共感する)姿勢をとっていくことが大切と思う(まずは自分への信頼感を得ることが大事)」と。
 
次いでDさんは「年齢に関係なく突然『ひきこもり』状態になることがあるのでは。(ご自分の経験から)突然の病い発症後、治療を経て社会復帰した後、そういった経験をしたことがプラスにもなったと感じた」と述べ、そのご経験から「周囲の方々には、遠くから見ていて欲しい、ニコニコ笑って見守っていて欲しい」と貴重なアドバイスも。またEさんは、「児童虐待等があった場合は、公的機関へつなげていくことが大事。」といった意見も。Fさんは、「サラリーマン、特に若年層の方々がむしろ深刻だ。孤立とフラストレーションは違う」、そして「男女差もありで、男性の方が社会的挫折感を味わうことが多く、男性の方が孤立する傾向が強いのでは?」といった意見も。

Gさんは、ライフプランリスクについて「金」、「病気」、「離婚」、「親の介護」等々の要因があると語られ、「日本の若者は親と同居する割合が高く、海外では早い段階で親離れ子離れがきちんと出来ており、こういったことも要因の一つになっているのでは?」と指摘された。Hさんは、ご自身の親子関係でのご経験に触れられ、様々な紆余曲折を経て、最終的にはお子さんの方が、「これはヤバイ!と思った」と自覚されたことが良かったと述べられた。Iさんは、シニアを中心とした『自立支援』について組織として取り組んでおられ、「高齢者については、あくまで『場』をつくって、呼びかけるまでが重要で、無理やり引っ張り出すまではNG!」と貴重なアドバイスを頂戴した。またJさんは「自分が役立っている場所」=「居場所」なのでは?とご自身の被災者支援活動のご紹介に沿って述べられた。

そのお話をうけて、最後に「居場所」=「役割」がキーワード、また、「居場所」とは単に「場所」ではなく、気のおけない話ができる「友人たち」の存在が大きいという点でも共感を得た。

 今回は「ひきこもり」のお話から「孤立の問題」へと様々な角度、視点からの議論が盛り上がり、あらためてこのメンバーの「多様性」の有難さ、貴重さ、素晴らしさ等々を実感したひとときでした。

以 上


【編集後記】  中村昌子              
研究会開催後、今回纏め役担当のWさんより研究会アドレス宛にメールが届いた。 団塊世代 元サラリーマンの「孤立の問題」にフォーカスして、元職場の先輩の具体例を共有された。高度成長期を担った団塊世代の企業戦士が定年後、家庭でも居場所がなくなり、成長した子どもたちとも会話が全くかみあわず、「熟年離婚」に至ってしまった実例だった。Wさんは、身近な方のこうした事例に直面し、「すぐには良い解決策等が見いだせない」状況の時には、見守る立場として、「焦らず、まずは、相手にしっかり寄り添い、話をじっくり傾聴することが第一、そして出来るだけ共感の意を伝えることが大切であり、そこから<その先>が始まるーと身に染みて感じている」とのことだった。

中村の家族の例も一つご紹介したい。3歳上の姉が、熟年離婚を機に孤立し、独り、引きこもり状況がかれこれ10年以上続き、家族の心配事の種だった。その間、私を含む3人のきょうだいたちは、留守電にメッセージを残したり、手紙を書いたり、食材を送ったりはしてみたものの、返事すらないことが続いた。このままでは姉の老後は「孤独死」だってあり得ると心配していたところ、昨年、姉の日常に、一筋の光が射した。ハローワークで応募した、表参道の大通りに面した、ナチュラルフードのお店に66歳で採用されたのだ。姉は、「実社会」と関わりはじめたことをきっかけに、みるみる自分を取り戻し、趣味の水彩画も再開し、私たち、きょうだいとの関わり方も少しずつ変わってきている。
昨日9月29日は、その次姉からの誘いで、表参道の若者に人気のハンバーガー屋さんで長姉と3姉妹でランチをした。私たちとのおしゃべりを楽しみつつ、ハンバーガーを頬張って食べる現在67歳の姉の横顔を眺めながら、生きる力を取り戻した姉の姿に嬉しくて胸が詰まった。昼食後、姉が働いている職場の方々数人にも紹介され、その方々の温かな雰囲気と笑顔に「あ、なるほど。」と感じた。外国人客も多いその店はオーガニックの食材やアロマオイル&化粧品も扱っており、専業主婦期間が長かった姉は、語学に、アロマの学びにと、向学心も芽生えているようだ。この日を迎えるまで、一体全体、私たちはどれだけの月日を費やしたことだろうか。

社会が人を片隅に追いやってしまう場合もあれば、社会という「窓」がその人の自己を取り戻す役割を担う場合もある。久しぶりに浴びる「社会の窓からのそよ風」で、姉は安堵し自分を取り戻しつつある…….,,うまく言えないが、そんなふうに感じた、令和元年、9月最後の日曜日だった。
第15回 ライフプロデュース 研究会 ハンバーグランチ.JPG

次回開催は
10月23日(水曜日)18:00〜20:30
テーマ:最近、自分自身がUp-datingしている(更新中!)と感じていること
場所:内幸町 日本プレスセンタービルディング9F 日本記者クラブラウンジ
posted by ライフプロデュース研事務担当 at 10:16| Comment(0) | 日記

2019年08月09日

第14回 「ライフプロデュース」研究会開催しました。

7月31日、第14回「ライフプロデュース」研究会開催しました。
80代×1名  70代×3名  60代×5名  50代×1名  計10名

今回のテーマは「人付き合いの距離感(間)」
このテーマで思い浮かんだことが二つある。一つは、スタンフォード大学の教授 社会学者 マーク・グラノヴェッターの唱えた『The strength of weak ties』「弱い紐帯の強み」、社会的な繋がりが薄い人からの方が関係性が濃い人間関係よりも自分が知らない情報をもたらしてくれるという説、もう一つはヘルシンキ大学の名誉教授、ユーリア・エンゲストロームの『knot working』「ノット・ワーキング」―、変化し合う個々人が学び・遊び・交流・仕事をハイブリッドに融合させ、他者との協働のプロセスで互いにKNOT(結節点)となって、結んだり開いたりして繋がり合う関係性―。私自身、ここ数年、この2つの説を意識することで、他者との距離感において大分楽になった気がする。↓の著書では「ノット・ワーキング」と「チーム」や「ネットワーク」の対比が興味深い。
https://www.rochokyo.gr.jp/articles/br0805.pdf

今回、参加者それぞれの他者との関係性の悩みなど、興味深くお聞きした。
纏めを担ってくれたのは、Mayumiさん ~以下に続く〜

【 距離をもっと近づけたいケース 】
■約1000世帯、子育て世帯が9割を占める超高層マンションに居住中。自らの経験を若い世代に伝えたいと思い、声をかけたりコミュニティ活動を模索しているが、なかなか活性化しない。(70代男性)

■運営に関わっている団体では、理由も告げずに突然に退会する人もいる。あまり決まった型に嵌めずにやっているつもりだが、それでも運営はなかなか難しい。(70代男性)

【 良い感じの距離感 】
■古くからある団地にカフェが新設され、シニアの集いが誕生して気を許す仲に。そこで出会ったと思われる関係の中で、日々淡々と将棋を打つ男女シニアの姿は一つの理想では。(60代男性)

■興味を持った織物教室へ。二つの派閥が出来、集まるごとに人間関係で揉めているグループを避け、織ることをメインにしていたグループに入り、数年楽しく継続中。(60代男性)

■教員時代の教え子が集まり、畑で一緒に野菜を作り始めた。やがて教え子以外にもいろんな人が参加するようになって規模は拡大。皆、「楽しい」がモチベーションのようだ。(60代男性)

■朝の出勤時、自転車で前後に二人の子どもたちを乗せて、保育園へ送る30代パパと挨拶し合う関係に。ある日、信号機が赤になったタイミングで自転車を隣に寄せて、「パパ、格好良いですね!」と声をかけてみたらとても嬉しそうだった。細かな背景等は知らずとも声をかける、この関係が丁度良い。・・・ちなみに『極上の孤独』(下重暁子、幻冬舎)が私のオススメ本。(60代女性)

■距離感は気にしたことがない。多々のボランティア活動に参加や運営して思うのは、何よりも役割が大事ということ。役割が人を作る。人それぞれの出来ることに合わせて役割付けをしてあげると、上手くいく。(80代男性)

■退職後に新しく出会った方々、人柄に魅せられた方との時間を大切にするようになった。経歴などは互いに聞かないようにしている。彼らとの月1回の飲み会が、いま一番良い距離感、良い関係だ。(60代男性)

■同窓会でベテラン世代と若年世代で運営方針の意見が分かれ、すり合わせも上手くいかず。が、意見集約に固執せず、各世代が良いと思う企画を実施したら相互に良い刺激に。衝突を避けつつ活性化し、良かった。(50代女性)

【 できれば距離を遠ざけたいケース 】
■夫の趣味である弓道の会に参加をしたが、女性がお茶と弁当の世話となっており、その点で相容れずにすぐやめた。(60代女性)

■ご近所同士であることだけを理由に付き合うことや、同期や同窓など過去の一時期の関係性だけを理由に付き合うことは、意識して距離間をコントロールするようになった。魅力的な人とは括りがなくとも自然に惹かれ合って繋がり合える。派閥や根回し、陰口やネガティヴな噂話には関わりたくない。(60代女性)

■古くからある団地にカフェが新設され、シニアの集いが誕生して気を許す仲に。しかし、数名の男性から「材料費を出すから誰か日々の料理してくれないか」「独居の身なので誰か家政婦をしてくれないか」との要望が出ると一気に皆さんの反感を買ってしまった。(60代男性)

■退職してからは、会社時代の付き合いや同級生との付き合いなどは、相手から声がかかったら応えるが、気が進まないものは積極的には持たないようにしている。(60代男性)

<今回のまとめ>
「人との距離感」を良い状態に保つには、既存の関係や組織の維持のみに注力するのでなく、個人や社会にとって良いと思われる方向を考え、選んでいく必要があるというところに話が集約しました。
□個人では
・・・意志に関係なく継続せねばならない関係からだいぶ解放される。完全に断ち切るのは現実的でないが、関係や距離感の維持に固執せず、本人や社会にとって良いと思える方向に調整していくのが、シニア期の「人との距離感」ではないかということに。
□集団では
・・・原則自由参加のボランティア活動であっても、役割付与など何らかの形付けは必要である。多人数の意志が働くので難しいが、集団リーダーによる人柄を含めた雰囲気作りや冷静な方向付けが「適度な距離感」醸成に寄与するのではということに。

※ 参加できなかった60代男性の投稿はこちらから↓
2019年7月31日LP研資料 60代男性.docx

<次回テーマは「居場所がなく孤立した人間の見守り方、接し方」>
この議論に参加した臨床心理士の方から、「心理学では、相手との関係性の持ち方をタイプ分けする考え方もある。例えば、自らの不安を我慢して相手から良い人と思われようとする ”孤立型” 、逆に不安を晴らして相手を思い通りにしようとする “依存支配型” など」という話題が提供されました。他の参加者からは「コーチングの分野では、コントローラー、プロモーター、サポーター、アナライザーの4つのタイプの分け方がある」との話も。

次回のライフプロデュース研究会では、「居場所がなく孤立した人間の見守り方、接し方」をテーマに据えて心理学を軸に展開します。距離感を探り合うことも困難になっている人々に対して、社会はどのようにアプローチしたら良いのか。冒頭でまず臨床心理士の方がレクチャーを展開し、その後、参加者相互に事例紹介を行います。興味関心のある方は是非とも参加して頂ければと思います。

<レポート後記>
心理学の視点を取り入れると、各人が主観的に捉えている関係性を客観的に整理できたり、ひいては望ましい距離感の構築が容易になったり。そんな可能性を心理学というものは秘めている感じが致します。
企業という組織内での振る舞い、家庭内での子育てや介護や看取り、そうした役割から少しづつ離れていき、新たに各人各様の青写真を抱いて関わり合おうとするのがシニア期だとするならば、何かしら共通言語のようなものが必要であり、心理学はその一つと言えるのではないでしょうか。次回を楽しみに致しましょう!
森木まゆみ

◇第15回「ライフプロデュース」研究会開催のご案内
1.日時 9月25日(水曜日)18:00〜20:30
2.「居場所がなく孤立した人間の見守り方、接し方」
3.場所:場 所:内幸町 日本プレスセンター内日本記者クラブ9階ラウンジ

☆ 第14回ヴオーグ.jpg

懇親会は、プレスセンタービルから徒歩5分『ドイツ居酒屋ベッカライ』
第14回 ライフプロデュース研究会懇親会 ドイツ居酒屋ベッカライ.jpg
posted by ライフプロデュース研事務担当 at 02:43| Comment(0) | 日記